虫歯進行度で異なる治療方法

虫歯の進行度合いと治療方法の違い

表面のエナメル質の虫歯

虫歯といえば、子供に多いことが長く定番化した印象でした。
最近では、虫歯の原因となる細菌の活動を抑制し、歯を溶かす酸の生成を防ぐ働きをする「フッ素」を配合したオーラルケアアイテムが多く販売されています。
その効果があってか、40年前に比べると虫歯のある子供は半数以下に激減しています。
それに入れ替わるような形で、大人の虫歯が増えているのです。

2018年の厚生労働省の調べでは20歳以上の成人の90%が虫歯になり、歯科医院に通院した経験があることが分かりました。
中でも65歳以上の高齢の人は、増加の傾向にあります。
高齢者の虫歯が多いのは、以前に比べ、残存する歯が増えていることに起因しています。
残存が10本以下だった1975年頃と比較すると、20本以上残っている方が増え、75歳以上でも15本以上残存している喜ばしい結果が出ているのです。
ですが残念ながら、残った歯が虫歯になってしまっている現状があるようです。

オーラルケアアイテムは充実してきているのに、どうして大人の虫歯は増加傾向なのでしょうか。
虫歯の原因が、ミュータンス菌などの細菌によるものであることは子供の虫歯と変わりはありません。
大人の虫歯の特徴は、子供の虫歯のように歯の溝や歯と歯の間から進行するもの以外に、すでに治療した歯の詰め物と歯の間から細菌が侵入し虫歯になる「二次う蝕」や、歯周病や加齢により歯茎が下がったことにより、現れた根面から虫歯になる「根面う蝕」があることです。
痛みを感じるまで気が付かなかったり、進行が速いため、気づいた時に速やかな治療ができないことで深くまで進行してしまったりするのです。

虫歯は進行度合いによって治療の方法や費用が異なります。
どのような治療が必要になるのかを理解しておきましょう。